限られたスペースを有効的に活用できることからマンションやオフィス、パーキングなど導入されることの多い機械式駐車場。タイプも様々な種類がありますが、その中で地下ピットに車を収容するタイプの場合、大雨などによる冠水対策はどのようにされているかご存知でしょうか?本記事では、機械式駐車装置の総合メーカー・豊国ファシリティーズのコラム編集部が、地下ピットのある機械式駐車場の冠水対策についてと、メンテナンスのタイミングなどについて解説していきます!
目次
機械式駐車場の冠水対策は万全なのか?仕組みを解説
機械式駐車場では、地下ピットに車を駐車するタイプがあります。そこで「もしも大雨などで車が冠水してしまったらどうなるの?」と考えたことがあるのではないでしょうか?
その話に行く前に、まずはピットに車を駐車するタイプの機械式駐車場の仕組みを解説します。
機械式駐車場の排水設備
ピットに車を駐車するタイプの機械式駐車場には排水ポンプが仕込まれており、それによって雨水を下水道等へ排出する仕組みになっています。
基本的には大雨の場合でも車が冠水してしまわないよう設計されていますが、当然災害レベルの大雨となれば、排出が間に合わず冠水してしまう可能性もあります。
また、この後解説しますが、メンテナンスをしっかりと行うことも重要です。メンテナンスが不十分で排水ポンプが目詰まりや不具合を引き起こし、想定通りの排出ができなくなってしまっていては、冠水するリスクも上がってしまいます。
地下ピットの清掃や排水ポンプのメンテナンスについて
機械式駐車場の地下ピットの清掃や、排水ポンプのメンテナンスは定期的に行う必要があります。
そもそも機械式駐車場のメンテナンスには「POG契約」と「フルメンテナンス契約」の2種類があり、基本的にはそのどちらかを契約することになるのですが、その中に地下ピットや排水ポンプの点検や必要に応じた修繕も想定されています。判断基準はメンテナンスを依頼する業者によっても若干異なってきますが、しっかりと理解しておきたい場合は担当業者に問い合わせてみることをおすすめします。
機械式立体駐車場のメンテナンスには2つの契約がある
機械式立体駐車場のリニューアルと合わせて考えなくてはいけないのがメンテナンスです。機械式立体駐車場のメンテナンスには大きくの以下の2つの契約が存在します。
- POG契約
- フルメンテナンス契約
その中で一般的に利用されているのがPOG契約です。これは、法的に点検義務が定められているわけではない、という要因が考えられ、この後解説しますが、比較的メンテナンス費用を抑えられるPOG契約を利用する方が多くなっているという現状です。
これらの違いについて詳しく見ていきましょう。
1. POG契約
POG契約とは消耗箇所に対してのメンテナンスを行う契約になり、コストを抑えられる点から、多くの場合はこちらを利用する方が多くなっています。POGとはパーツ・オイル・グリースの頭文字を取った名称で、文字通りこれらの箇所をメンテナンスします。
もちろん、合わせて他の箇所をメンテナンスすることも可能ではありますが、その場合は別途費用がかかることを覚えておく必要があります。
2. フルメンテナンス契約
フルメンテナンス契約はその名の通り、全体的に全ての箇所をメンテナンスする契約となります。こちらはPOG契約とは逆でコストがかかりますが、一方で安全性は高くなっています。
現状ではPOG契約に比べて利用者は少なくなっています。
機械式駐車場が冠水した場合の責任はユーザー(利用者)
では万が一、大雨などの自然災害が原因で、機械式駐車場の地下ピットが冠水し、駐車していた車が故障などをしてしまった場合、責任の所在はどこになるのでしょうか?
その答えは“車の所有者”になります。
マンションの機械式駐車場を契約する際に、契約書をしっかりと確認している方はご存知かと思いますが、多くの場合、「駐車場での被害に関しては、当社は一切の責任を負いかねますのでご了承ください」と明記されています。(※細かな文章の違いはあります)これはつまり、トラブルなどが発生した場合でも、管理者がその責任を持つことはできませんという意味で、それに了承する形で契約に至るので、被害に合ったユーザーが、後から責任を求めても覆る可能性は極めて低いです。
もしも、今これを読んでるあなたがユーザーである場合は、冠水の可能性がある日は別のところに駐車するなど、自ら対策を行う必要があるのでご注意ください。
管理者は注意!例外もあります
基本的に責任の所在が管理者に向けられる可能性は極めて低いですが、一部例外もあります。それは管理不足とみなされる場合です。
そのパターンはいくつかありますが、代表的なもので言えば、排水ポンプが故障したままになっているような、明らかにメンテナンスが不十分だった場合。また、注意喚起が一切行われていなかったり、講じられる対策を行っていなかった場合なども挙げられます。
管理者の皆様は万が一の際に備え、このようなことを頭に入れておく必要があります。
機械式駐車場のことなら豊国ファシリティーズにお任せください
豊国ファシリティーズは世界に誇れる高い技術力と、利便性・安全性・美しさを満たす駐車場システムを提供するエキスパートです!
当社は1990年に水門の総合メーカーである豊国工業の民生部門として誕生し、機械式駐車装置をはじめ防水扉やその他産業設備の製造・販売を行ってきました。そして2010年に事業分割によって「豊国ファシリティーズ」が設立され、多段式駐車装置の総合メーカーとして実績を積んできました。
事業開始からこれまで、確かな経験と技術で時代のニーズに応える設計製作をマンション、商業施設等に提案・導入しています。
まとめ
今回は大雨などの場合、機械式駐車場の地下ピットは大丈夫なのか?という疑問に対する解説をお届けしました。このブログでは機械式駐車場に関連する様々な情報を発信していますので、是非関連記事もご覧いただければと思います!