省スペースに多くの車を駐車でき、土地の有効利用が行えることから、マンションやパーキングなどで導入される機械式駐車場。そんな機械式駐車場について、これから導入を考えてる方が知っておかなくてはならないのが、関連する法律についてです。本記事では、機械式駐車装置を導入する際に注意が必要な法律について、機械式駐車装置の総合メーカーである豊国ファシリティーズのコラム編集部が解説させていただきます。
目次
機械式駐車装置は建築物に当たるのか?
機械式駐車装置が地上8メートル以内で、屋根がない場合は建築基準法に抵触することはありません。つまり、地上8メートル以上の場合や、屋根を設置する場合は建築物として扱われることとなり、建築基準法を守らなくてはいけません。
また、注意ポイントとして、8メートル以内で屋根がない場合でも、用途地域などを所轄自治体に確認する必要があります。
建築物にあたる機械式駐車装置を導入する場合、機械のサイズや、設置する場所などによっても様々ですが、代表的なもので以下の法律が関連してきます。
- 建築基準法
- 消防法
- 附置義務条例
それぞれ細かく見ていきましょう。
機械式駐車装置における建築基準法
前項でお伝えしたように、機械式駐車装置が地上から8メートル以上である場合、または屋根がある場合は、建築基準法の範囲内で設置する必要があります。8メートル以下の場合は建築物ではなく工作物に区分されます。
建築基準法とは
建築基準法は、日本において建築物の安全性や構造、防火などに関する法律です。以下に、2024年1月現在の建築基準法に関する基本的な情報を紹介しますが、最新の法改正や詳細な規定については、地元の自治体や法務専門家に、しっかりとご確認ください。
▼建築基準法の目的
建築基準法の主な目的は、建築物の安全性、衛生、福祉、環境に配慮した基準を定め、これを基に建築物の設計・施工・使用が行われることです。
▼建築基準法の構成
建築基準法は、概ね以下のような構成になっています。
第1章: 総則
第2章: 建築物
第3章: 道路
第4章: 緑地
第5章: 総合開発地域
第6章: 地域計画
附則など
▼建築基準
建築基準法では、建築物の基準に関する事項が規定されています。これには構造、耐火性、通風、採光、衛生、バリアフリーなどが含まれます。
▼届出・許可について
建築基準法では、一部の建築物については着工前に届出や許可が必要とされています。これは、計画が法令に適合しているかどうかを予め確認するためです。
▼罰則について
建築基準法に違反した場合、罰則が規定されています。これには懲役や罰金などが含まれます。
▼補足
建築基準法は、その性格上、地域や建築物の種類によって異なる要件が適用されることがあります。建築を行う際には、建築基準法だけでなく、地方自治体の規定や建築関連の法令にも留意する必要があります。
機械式駐車装置における消防法
機械式駐車場の駐車台数が10台以上になる場合は消防法が関連してきます。具体的には10台以上収容できる機械式駐車場の場合は、消化設備を設置しなくていけません。また、設置数も基準が定められているので注意が必要です。消化器(移動式粉末消火設備)の場合は15メートル以内に一箇所設置することが義務付けられています。
消防法とは
消防法は、火災の予防や消防活動に関する基本的な法律です。最新の法改正や詳細な規定については、地元の自治体や法務専門家にご確認ください。
▼消防法の目的
消防法の主な目的は、火災の発生を未然に防ぎ、もし発生した場合には速やかに鎮火し、災害の拡大を防ぐことです。また、これに伴う災害救助活動や避難のための施策も含まれます。
▼消防法の範囲
消防法は、主に次のような事項に関連しています。
- 防火対策
- 防災対策
- 消防組織の設置・運営
- 消防機材の整備
- 消防設備の設置
▼消防団について
消防法では、地域ごとに消防団が組織され、住民が参加して火災の初期消火や避難支援などを行うことが規定されています。
▼建物の防火対策について
消防法では、建築物に対する防火対策が定められており、建物の種別や規模によって異なる要件が適用されます。これには非常口の設置、自動火災報知設備の設置、消火器の設置などが含まれます。
▼消防署について
地域ごとに消防署が設置され、火災の発生時や緊急時には消防署が消防活動を指導・実施します。
▼罰則について
消防法には、法令に違反した場合の罰則が規定されています。これには懲役や罰金などが含まれます。
▼補足
消防法は、地域や施設の種類によって異なる要件が適用されることがあります。建物の所有者や管理者は、これらの要件を遵守し、火災予防と適切な消防対策を実施する責任があります。
機械式駐車装置における附置義務条例
駐車場法に基づく地方公共団体の条例(附置義務条例)により、一定の地区内において、一定の規模以上の建築物を新築等する場合に、駐車場を設けることが義務付けられているのですが、これを附置義務条例と呼びます。国土交通省にて詳細がご確認いただけますので是非ご参照ください。(https://www.mlit.go.jp/common/001201346.pdf)
附置義務条例とは
附置義務条例は、特定の法律に基づいて、その法律の施行に必要な規定や措置を定めるための条例のことを指します。法律が原則的な規定を含む一方で、より具体的で詳細な事項や手続きについては、各都道府県や市町村が附置義務条例を制定して補完することがあります。以下は、これに関する基本的なポイントです。
1. 法律との関係
附置義務条例は、国や地方公共団体が制定する法律(本法)に基づいて作成されます。本法が一般的な方針や基本原則を示す一方で、附置義務条例はその法律を具体的に施行するための規定を設けるものです。
2. 法律の補完
本法が原則を示し、附置義務条例が具体的な実施規定を提供することで、法律の効果的な施行を図ります。これにより、地域や特定の状況に応じた柔軟な対応が可能になります。
3. 地方公共団体の裁量
附置義務条例は、地方公共団体(都道府県、市町村)が制定します。そのため、地域ごとに異なる状況や必要性に基づいて、特定の条例を設けることができます。
4. 内容
附置義務条例の内容は、本法に基づき、法律の施行に必要な具体的な事項や手続き、罰則などを含みます。例えば、環境保全法に基づく附置義務条例では、特定の産業における排水基準や規制の具体的な内容が規定されることがあります。
5. 施行日
附置義務条例は、本法が施行される時点で同時に施行されることが通常です。法律と同様に、附置義務条例も公布され、適用されるための手続きを経て発効します。
※具体的な附置義務条例の内容や施行に関する詳細は、対象となる法律や地域によって異なります。特定の法律や地域に関する具体的な情報が必要な場合は、該当する法律や自治体のホームページを確認するか、地元の行政機関に問い合わせることが重要です。
機械式駐車場のことなら豊国ファシリティーズにお任せください
豊国ファシリティーズは世界に誇れる高い技術力と、利便性・安全性・美しさを満たす駐車場システムを提供するエキスパートです!
当社は1990年に水門の総合メーカーである豊国工業の民生部門として誕生し、機械式駐車装置をはじめ防水扉やその他産業設備の製造・販売を行ってきました。そして2010年に事業分割によって「豊国ファシリティーズ」が設立され、多段式駐車装置の総合メーカーとして実績を積んできました。
事業開始からこれまで、確かな経験と技術で時代のニーズに応える設計製作をマンション、商業施設等に提案・導入しています。
まとめ
本記事では、機械式駐車装置を導入する際に注意が必要な法律について解説させていただきました。これからも弊社が培ってきた知識や技術をベースに、様々な情報を発信して参ります!