大型のマンションや施設などで見かける機会も多い立体駐車場。車の保管スペースがますます貴重な都市部において、立体駐車場は地上の限られたスペースを有効活用し、新しい利便性を提供しています。
そんな立体駐車場にはサイズや種類ごとの特徴、また導入する際の注意点などがあることをご存じでしょうか?
本記事では、改めて立体駐車場とは何か、種類の紹介から注意点までを、多段式立体駐車場装置の総合メーカーである私たちが徹底的に解説していきます!
目次
立体駐車場とは?主な4種類の立体駐車場を解説
立体駐車場は、複数の階層に車を駐車することで、限られたスペースを有効に利用できる機械です。一般的には、自動的な移動メカニズムを備え、駐車および取り出しを効率的に行います。都市部の駐車スペース不足に対処し、地上のスペースを最大限に有効活用するための解決策として、マンションや大型の施設等で広く採用されています。
また、立体駐車場には様々な種類がありそれぞれ特徴が異なります。これらの立体駐車場の種類は、都市のニーズや制約に合わせて採用され、各々が特有の利点を提供しています。
主に以下のようなものがあります!
塔型駐車場(タワーパーキング)
多層構造を持ち、上下方向に車を駐車します。旋回台を使用して、車を上層または下層に移動させることが一般的です。こちらは主に有料駐車場やマンションなどに設置されるケースが多い種類になります。
パズル駐車場(パズルパーキング)
先ほどご紹介した塔型駐車場(タワーパーキング)同様に主にマンションに設置されるケースの多いパズル駐車場は、車が横一列にならぶのではなくパズルのように配置され、上下や横に移動可能な構造です。これにより、スペースを有効に使えます。
シャトル駐車場(シャトルパーキング)
シャトル駐車場は複数の列に車を駐車し、シャトル(移動プラットフォーム)を使用して車を移動させる方式です。こちらは大規模な有料駐車場で採用される場合がほとんどで、車を横に移動させることができるのが特徴です。
回転駐車場(カルーセルパーキング)
最後に紹介する回転駐車場は日本国内ではあまり採用されることがありませんが、中央の軸を中心に車が回転しながら駐車する仕組みです。この方式は一般的に、円形の駐車場で使用されます。わかりやすいイメージで言えば観覧車の様な構造になっています。
立体駐車場の高さ制限は?幅や奥行きも解説
駐車場のサイズに関しては、国土交通省が指針となるサイズを発表しており、小型自動車の場合は縦幅5m×横幅2.3m以上、普通自動車の場合は縦幅6m×横幅2.5m以上となっております。
それに加え立体駐車場には高さの制限もございますが、そちらに関しては各施設や設計によって異なります。一般的に、立体駐車場の階層ごとに制限があり、車両が安全に移動できるスペースを確保するために設定されます。
立体駐車場を利用する際には、車両の高さを確認し、施設の高さ制限に留意することが重要です。高さ制限を守ることで、施設の安全な運用が維持され、事故や損傷を防ぐことができます。
以下に、高さ制限に関する一般的な考慮事項をまとめました。
車両の高さ制限
立体駐車場では、各階層において車両の高さ制限が定められています。これは、建築構造や車両移動のメカニズムによって決まります。
入口および出口の高さ制限
立体駐車場の入口や出口にも高さ制限が設けられています。これは、施設へのアクセスや脱出経路を確保するために重要です。
地元の建築基準や規制
立体駐車場の高さ制限は、地元の建築基準や規制に従って設定されることが一般的です。都市や地域によっては、建築物の高さに関する特定のガイドラインが存在します。
技術的な制約
立体駐車場の機構や設計には技術的な制約があり、それに基づいて高さ制限が設定されます。これは、安全性や構造の安定性を確保するための措置です。
立体駐車場での事故事例の多くはヒューマンエラー
立体駐車場では事故が起きるケースもあります。また、その多くはヒューマンエラーによって引き起こされます。以下は、一般的な事故の要因として考えられるもので、1〜3はヒューマンエラーによる危険性、4はそれ以外の要因になります。
事故事例1. 運転ミス
駐車場内での運転中に、ドライバーが誤った方向に進んだり、障害物に衝突することがあります。これは操作ミスや注意不足から生じることがあります。
事故事例2. 高さ制限の無視
ドライバーが車両の高さを正確に確認せず、高さ制限を無視して施設に進入することが、事故の原因となります。これが設定された高さを超える車両が通過しようとすると、建築物や機械に損傷が生じる可能性があります。
事故事例3. 適切な案内や標識の不足
立体駐車場内での案内や標識が不十分な場合、ドライバーが正しい方向やエリアを把握できず、混乱が生じて事故の原因となることがあります。
事故事例4. 機械的な故障
立体駐車場の移動メカニズムやエレベーターシステムに不具合が生じると、事故の原因となります。例えば、車両が動かなくなったり、急停止したりする可能性があります。
立体駐車場導入の際の7つの注意点
ここまでは利用者視点での注意点を解説してきましたが、導入者視点での注意点もあります。
1. 法規制と許認可
2. 技術的な要件
3. 地盤調査
4. 利用者の安全性
5. 保守と点検
6. 利用者への教育
7. 環境影響の評価
これらの注意点を考慮することで、立体駐車場の導入がスムーズかつ安全に行われ、利用者にとっても快適で効率的な駐車体験が提供されるでしょう。それぞれ細かく解説していきます!
注意点1. 法規制と許認可
地元の建築基準や規制に従い、必要な許認可を取得してください。法的な手続きをクリアすることはプロジェクトの成功に欠かせません。
注意点2. 技術的な要件
立体駐車場の設置には高度な技術が必要です。専門の技術者やエンジニアと協力し、施設の設計や機械構造に関する技術的な要件を確認してください。
注意点3. 地盤調査
施設を建設する前に、地盤調査を行い、地盤の安定性を確認してください。地盤が十分に強固でない場合、適切な補強が必要です。
注意点4. 利用者の安全性
利用者の安全を最優先に考え、適切な安全対策を講じてください。これには、非常停止装置、緊急時の避難経路の確保、適切な照明や監視システムの導入などが含まれます。
注意点5. 保守と点検
立体駐車場は定期的な点検とメンテナンスが必要です。機械やエレベーターシステム、センサーなどの機能が正常に動作しているかどうかを確認し、必要な修理や補修を迅速に行ってください。
注意点6. 利用者への教育
利用者には、施設の正しい利用方法や注意事項についての情報提供が重要です。適切な運転手指導や安全に関する注意喚起を行いましょう。
注意点7. 環境影響の評価
立体駐車場の建設が周辺環境に与える影響を評価し、それに対する適切な対策を講じることも大切です。
立体駐車場のことなら豊国ファシリティーズ
豊国ファシリティーズは世界に誇れる高い技術力と、利便性・安全性・美しさを満たす駐車場システムを提供するエキスパートです!
当社は1990年に水門の総合メーカーである豊国工業の民生部門として誕生し、機械式駐車装置をはじめ防水扉やその他産業設備の製造・販売を行ってきました。そして2010年に事業分割によって「豊国ファシリティーズ」が設立され、多段式駐車装置の総合メーカーとして実績を積んできました。
事業開始からこれまで、確かな経験と技術で時代のニーズに応える設計製作をマンション、商業施設等に提案・導入しています。
まとめ
本記事では立体駐車場とは何か?どんな種類やサイズがあり、利用者・導入者それぞれにどのような注意点があるのかを徹底的に解説させていただきました。
立体駐車場を改めて理解していただき、安全にご利用いただければと思います!これからも弊社が培ってきた知識や技術をベースに、様々な情報を発信して参ります!