都市部の駐車スペースの有効活用がますます求められる中、機械式立体駐車場がその重要性を増しています。機械式立体駐車場はは、有限な土地を効率的に利用し、多くの車両を収容することができるため、近年の都市の交通インフラストラクチャーにおいて欠かせない存在ともなっています。
しかしながら、経年劣化や技術の進化により、メンテナスやリニューアルが不可欠となっており、その費用も高額なものとなっています。
本記事では、機械式駐車装置の総合メーカーである私たちが、機械式立体駐車場のリニューアルが必要となるタイミングや費用、メンテナンスについてなどを徹底的に解説していきます!
目次
機械式立体駐車場をリニューアルするタイミングは15〜30年が目安!
機械式立体駐車場のリニューアルするタイミングは15〜30年程度がベストとされています!
以下で、このように言われる理由を解説していきます。
はじめに、法的に定められた機械式立体駐車場のリニューアルの期間というものは2023年の現時点ではありません。つまり、ここで紹介する年数はあくまで目安となり、必ずそのタイミングで行わなくてはいけないというものではありませんので、ご理解いただければと思います。
まず、最短とされる”15年”という数字が出てくるのには、資産としての捉え方が関係します。資産には法定耐用年数というものがあります。これは、特定の資産や設備について、法律や税法で定められた一定の期間内での償却や使用が認められる期間を指します。機械式駐車場を所有元の資産としてみたときに、この法定耐用年数が15年と定められており、それによって「機械式駐車場をリニューアルするタイミングは15年」と考えられるようになりました。
あくまで資産としての話となりますので多くの場合は15年が経過しても変わりなく使用できます。但し、部品交換の目安時期もおよそ15年と考えられており、これよりも長く、安全に使用したい場合はそれ以前にしっかりとメンテナンスをしていく必要があります。
次に30年と言われる理由についても解説します。
前述したように、機械式駐車場はおよそ15年のタイミングでリニューアルが必要になるとされています。適切なメンテナンスを行えばその後も問題なく安全に使用することができますが、そこからまた15年ほどが経ち、2度目の大規模修繕が必要な際には機械を入れ替えることが望ましいということで、30年と言われています。
老朽化した機械式駐車場は徐々に故障頻度も増え、その分維持にかかる費用も嵩んでいく傾向にあります。また、メンテナンスを疎かにすれば安全面でのリスクも生じるので、無理に長期間使用せず、状況をしっかりと確認し、判断ができない場合は専門家に聞くなどして、必要なタイミングで機械を交換することをおすすめします。
機械式駐車場のリニューアルにかかる費用
次に機械式立体駐車場にかかる費用について解説していきます。
費用は導入している装置やリニューアルの方法によっても異なりますが、1台あたりおよそ50〜150万円となります。こちらは目安となりますので、詳細の料金については依頼する業者にご確認いただく必要があります。
機械式立体駐車場のリニューアルの流れ
では弊社、豊国ファシリティーズの例で機械式立体駐車場のリニューアルの流れを解説させていただきます。
- 仮設養生
- 既設装置解体・搬出
- 既設装置 柱根巻き部撤去及びアンカーボルト切断
- 既設装置解体完了
- 新規装置 墨出し・アンカーボルト打設
- 新規装置搬入
- 組立
- 電気配線
- 社内検査
- 清掃
- お引渡し
以下に簡単に内容を紹介します!
1. 仮設養生
安全に作業を実施する為、既設装置廻りに転落防止柵、バリケード、シート養生等を実施します。
2. 既設装置解体・搬出
クレーン等を用いて、既設装置を解体撤去します。既設装置の搬出による大型車両の通行があります。また重機作業の為、騒音・振動が発生します。
3. 既設装置 柱根巻き部撤去及びアンカーボルト切断
既設装置撤去後、柱の根巻き部分のハツリ作業を実施します。完了後、アンカーボルトを切断します。本工事においても騒音・振動及び粉塵が発生します。
4. 既設装置解体完了
既設装置の解体後、躯体内の清掃を実施します。
5. 新規装置 墨出し・アンカーボルト打設
新規装置の柱位置をマーキングします。また柱アンカーボルトを打ち込む為の穴を空ける為、騒音及びコンクリートの粉塵が発生します。
6. 新規装置搬入
新規装置のフレーム部材やパレットを搬入します。新規装置の搬入による大型車両の通行があります。
7. 組立
クレーン等を用いて、新規装置のフレーム部材やパレットを設置していきます。大型車両の通行があります。また重機作業の為、騒音が発生します。
8. 電気配線
取り付けた電気部品をケーブルで基板や制御盤と接続していきます。
9. 社内検査
完成した装置をお渡しする前に、弊社品質管理検査員にて検査を実施します。装置の確認項目、御引渡し後のご利用者様の目線で確認作業を実施します。
10. 清掃
新規機械式駐車装置を水洗、清掃します。
11. お引渡し
居住者及び利用者様へ鍵のお引渡し及び新規装置の説明会を実施します。また発注者様による確認検査を実施していただきます。
リニューアルの流れについてはコチラでも写真付きで解説していますので是非ご確認ください。
機械式立体駐車場のメンテナンスには2つの契約がある
機械式立体駐車場のリニューアルと合わせて考えなくてはいけないのがメンテナンスです。機械式立体駐車場のメンテナンスには大きくの以下の2つの契約が存在します。
- POG契約
- フルメンテナンス契約
その中で一般的に利用されているのがPOG契約です。これは、法的に点検義務が定められているわけではない、という要因が考えられ、この後解説しますが、比較的メンテナンス費用を抑えられるPOG契約を利用する方が多くなっているという現状です。
これらの違いについて詳しく見ていきましょう。
1. POG契約
POG契約とは消耗箇所に対してのメンテナンスを行う契約になり、コストを抑えられる点から、多くの場合はこちらを利用する方が多くなっています。POGとはパーツ・オイル・グリースの頭文字を取った名称で、文字通りこれらの箇所をメンテナンスします。
もちろん、合わせて他の箇所をメンテナンスすることも可能ではありますが、その場合は別途費用がかかることを覚えておく必要があります。
2. フルメンテナンス契約
フルメンテナンス契約はその名の通り、全体的に全ての箇所をメンテナンスする契約となります。こちらはPOG契約とは逆でコストがかかりますが、一方で安全性は高くなっています。
現状ではPOG契約に比べて利用者は少なくなっています。
機械式駐車場のことなら豊国ファシリティーズにお任せください
豊国ファシリティーズは世界に誇れる高い技術力と、利便性・安全性・美しさを満たす駐車場システムを提供するエキスパートです!
当社は1990年に水門の総合メーカーである豊国工業の民生部門として誕生し、機械式駐車装置をはじめ防水扉やその他産業設備の製造・販売を行ってきました。そして2010年に事業分割によって「豊国ファシリティーズ」が設立され、多段式駐車装置の総合メーカーとして実績を積んできました。
事業開始からこれまで、確かな経験と技術で時代のニーズに応える設計製作をマンション、商業施設等に提案・導入しています。
結論
機械式立体駐車場のリニューアルは15〜30年を目安に行いましょう!これは駐車場の利用頻度などによって適切なタイミングにばらつきがありますので、メンテナンスを行なっていく過程でメーカーや業者と相談しながら、しっかりとタイミングを見極め、大きなトラブルが発生してしまう前にリニューアルを行いましょう。
まとめ
今回は機械式立体駐車場のリニューアルに関する解説をお届けしました。このブログでは立体駐車場に関連する様々な情報を発信していますので、是非関連記事もご覧いただければと思います!